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サンディエゴ木村です。音楽とゲームが好きです。カリスマブロガーを目指します

サンキム書評#1 『ノルウェイの森』村上春樹

読書日記をつけよう!と思ったので100%自己満足だけど書く。今年の俺のテーマは「迷ったら行動」なので。まずは村上春樹ノルウェイの森から書く。

 

実はずっと前に買ってたんだけどそのままにしてて気持ち悪かったので読んだ。読んだきっかけはなんとなく有名だから。村上春樹作品は比較的淡々と物語が進むので、推理小説みたいなネタバレはあまりないけど、出来るだけ物語の根幹に関わる部分のネタバレは一応避ける。

 

村上春樹の作品自体は初めてじゃなかったんだけど、やっぱり文体が気持ち悪いなーって読み始めは思っちゃう。でもだんだん慣れてくるのが不思議。しかも読み終わる頃には「もうハルキの文体じゃないと満足できない!」って状態になる。怖。

 

あらすじは主人公のワタナベが直子と緑っていう二人の女性と関わりながら「生と死」について考える、みたいな感じ。ヒロイン的なのがその二人なんだけど、その二人を含めてとにかく主人公がめちゃくちゃセックスをする。3ページに1回くらいしてる。『ノルウェイの森』は有名作品で若い女性も当時はよく読んでたみたいに聞いていたのでこれは少し面食らったけど、文学と性は切り離せないものだとも思うし、おそらくこの作品の一つのテーマは「生と死」であり、ダジャレとかじゃなく性は生に直結するものだと思うのでそれはそれでいいなと思った。この性描写のせいで一部から批判を食らっているのは少しかわいそうだなとも思った。

 

俺の好きな登場人物は永沢さんっていう人で、この人は東大法学部で頭脳明晰、容姿端麗みたいなタイプ。それでいて友達のためにナメクジを三匹飲むくらい良い人でもある。でも、彼女がいるのに夜遊びしまくる人で、その点は悪い人だなと思った。ただこの人はいわゆる名言メーカーで、かなりいいことを言う。例えばこれ。

「ねえ、永沢さん。ところであなたの人生の行動規範っていったいどんなものなんですか?」と僕は訊いてみた。

「お前、きっと笑うよ」と彼は言った。

「笑いませんよ」と僕は言った。

「紳士であることだ」

僕は笑いはしなかったけれどあやうく椅子から転げ落ちそうになった。「紳士ってあの紳士ですか?」

「そうだよ、あの紳士だよ」と彼は言った。

「紳士であることって、どういうことなんですか?もし定義があるなら教えてもらえませんか」

「自分がやりたいことをやるのではなく、やるべきことをやるのが紳士だ」

これはいいなと思った。彼女いるのに女の子と遊んでるやつのどこが紳士だよ!ってなるけど筋を通すみたいな意味合いで捉えたらなるほどってなる。事実この人は性生活を除いてはかなりストイックな人で、性生活に関しても読めばわかるけど「ほう」ってなる理由がある。ここ読んだ日から俺の行動規範は「紳士であること」に変わった。

 

あとはこの部分。

「自分に同情するな」

「自分に同情するのは下劣な人間のやることだ」

 俺は謙虚であることは大事にしようと思ってるけど、それが行き過ぎると自分に対する「同情」になってしまうと思う。これはネガとポジの話になるけどネガの空気は人に感染すると思ってて、俺はできるだけポジティブであるように努めているけど、周りの人もポジに変えられるくらいのものを持てたらいいなと思った。

 

他にもいっぱいあるんだけどこの辺にしとく!あとは自分で読め!これだけの有名作品なので文体の合う合わないはあるかもしれないけど内容は間違いなく面白い作品。俺も他の村上春樹作品いっぱい読もうと思った。村上春樹読んでみたい人の一冊目にはかなりいいと思った。

 

ノルウェイの森 (講談社文庫)

ノルウェイの森 (講談社文庫)

 

 

 

グンナイ